猫になって君にキスをして


十分な高さがなかったためか、空中で身体をよじってみたものの、着地に失敗した。

横腹から床にペコンと落ちた。


「にゃ、にゃにゃ?」

(な、なんだ?)


びっくりして身体が動かない。


「にゃ……」

(ま、まさか)


片瀬ちゃんを見上げる。


「にゃ!」

(うぇぇ?)


片瀬ちゃんの顔には、可憐のかの字も見当たらなかった。

鬼のような形相でオレを見下ろしていた。