猫になって君にキスをして


とにかくオレは猫になってしまった。

自分の意志ではない。

もちろんだ。


……こうしていても仕方ねーか。


よし。カーテンを開けよう。

というわけで出窓を見上げた。


床上十数センチから見上げる窓は意外と高い。

いや、窓に限らず、全てのものが結構デカい。


「にゃ……」

(上がれるか?)


出窓へ集中する。

知らずに足……後ろ足が踏んでいるのが分かる。

尻がくっくっくと振れた。


(ていっ……!)


簡単に出窓に上がれた。

さすが猫だ。