ある日の夜 まだ冷たい空気を吸い込んで 私は自宅へ向かう。 「…さむ」 足早に町中を通りすぎて行く。 スーパーの買い物袋が音をたてた。 「寒い寒い〜」 何度口にしたかわからない言葉。 サッとマンションのエレベーターに乗り込んだ。 四階で降りて、自分の部屋まで鍵を取り出しながら歩いた。 「…じゅんちゃん?」 足が止まる。