本日第一回目の手術の相手は『拡張型心筋症』

これは心筋の細胞の性質が変わり、とくに左心の壁が薄く伸び、心臓内部の空間が大きくなる病気。

この手術は心臓の大動脈と左心室に穴を開け、人口心臓に繋がるクダ、血流管を繋げる。

心臓の何処に穴を開けるかがポイントとなる。

手術に時間がかかると、それだけ患者に大きな障害を与えてしまう。

僕の手術スピードでリスクを解除しなければならない。

僕は手術に自信がある。

「頑張るか・・・」

僕の独り言。

これは幼い頃からの癖で大人になってもなおらない。

患者のカルテを再確認して準備の為にオフィスを出る。

準備室で青い手術着に身を包み、専用の石鹸で腕まで消毒する。

今回の手術メンバーは術者の僕と介助医として櫻井舞とその他の看護師。

介助医たちと手術の手順を再確認する。

そして僕は軽い足取りで手術室に入った。