水槽の蓋を開け、買ってきたばかりの熱帯魚を水槽の中に入れる。

「今日からココが君達のお家だよ」

餌を入れてから蓋を閉める。

用事は済んだので、もう帰ろう。

そう思った時、オフィスの扉が開いた。

「あら、目黒先生。いらしてたんですか」

優しく微笑むのは相澤美由紀(アイザワミユキ)。

毎週月曜日だけこの病院で働いている看護婦。

年齢は僕より少し上の34歳。

「お久しぶりです。相澤さん」

会釈する。

「お休みなのにどうしたんですか?」

「新しく熱帯魚を買ったんで水槽に移しに来たんです」

「へぇ、どれですか?」

興味津々の相澤美由紀は水槽の前にやって来た。

「あの尾ひれの付け根にミッキーの模様があるのがホワイトミッキーマウスプラティ。茶色のがチョコレートグラミィ。メダカみたいなのがジャワメダカ」

指を差しながら説明する。