人こそ芸術 part1


「僕のもあったんだ・・・」

受け取ったエプロンを見て苦笑いをする。

普段着けないので、慣れていない物は恥ずかしい。

「・・・嫌だった?」

眉を寄せ、上目で僕を見つめる。

小山るうより栞の方が何倍も可愛いし色気もある。

「着けるよ」

甘く囁くように言い、栞の額に軽く唇を付けた。

「ちょっやだっ!!・・・急にビックリするじゃん」

栞は桜色になった頬を押さえて、隠れる様に小走りでキッチンに消えてしまった。

エプロンを着けた僕もキッチンへ向かった。

「なに恥ずかしがってるんだよ」

意地悪に笑ってみる。

「うるさいなぁ。お腹空いたんだから早く作るよ!!」

栞の頬は桜から熟れたトマトに変わった。

「何すればいい?」

手を洗いながら聞く。

「そうだなぁ・・・パスタ茹でて」

栞は袋に入ったバスタを見せる。

「アルデンテ?」

塩水の入った鍋を火に掛けながら言う。

「うん」

栞は子供の様な笑顔を見せる。