タオルケットを持って地下室に戻ると小山るうは既に夢の中だった。

「風邪ひきますよ」

そう言いながらタオルケットを華奢な体にかける。

小山るうの近くに置いてあったブランド物の黒のパーティーバッグに手を伸ばす。

香水やルージュ、ハンカチや手鏡ともみくしゃになっている携帯電話を取り出す。

僕が上に居た数分の間に誰かと連絡を取っていないか確認をする。

発信履歴と着信履歴、メールの送受信は数時間前のものが最後なので誰とも連絡を取っていないようだった。

きっと僕が出て行った後直ぐ、眠りについたのだろう。

黒のパーティーバッグは没収することにした。

金曜日の明日は小山るうの休日。

僕はいつも通り仕事に出掛ける。