僕の声に顔を上げる。

「へぇ?…ッ…ったぃ…」

そう言うと頭を抱えて再び下を向いてしまった。

「小山さん?大丈夫ですか?」

その声に反応し、呻き声とともに顔を上げた。

「…先生?」

「そうです。目黒です」

「やだ…こんな所見られちゃった…」

「どうです?酔いが醒めるまで家で珈琲でも飲んでいきませんか?」

「…じゃぁお言葉に甘えて」

小山るうは僕の車に手を付いて立ち上がると助手席に乗り込んだ。

僕はアクセルを踏み、自宅へと車を走らせた。

僕の頭の中は急な計画変更だったが混乱なんてしていない。

ただターゲットが櫻井舞から小山るうに変わっただけの事だ。