帰宅した僕は、硝子張りの部屋を掃除しながらも櫻井舞の事を考えていた。

本当に櫻井舞が僕に好意を抱いているのなら誘い出すのは簡単な事だ。

チャンスさえあれば直ぐにでもこの地下室に招待できる。

汗をかきながらの掃除で、僕の体は喉の渇きを訴えた。

炭酸飲料が飲みたい気分だった。

キッチンに向かい610リットルの冷蔵庫を開ける。

「あー残念」

ちょうど炭酸飲料を切らしていた。

掃除に気合を入れすぎて時刻は日にちを変えていた。

この時間では近くのスーパーは閉まっている。

仕方なくコップ一杯の水を飲んで車に乗り込んだ。

汗をかいた体には夜の風は心地良い。

コンビニで500ミリリットルのコーラを三本買った。

一本はコンビニを出てから直ぐに飲み干した。

帰り道、路上の隅に座り込む女を見つけた。

近づくにつれて、それは小山るうだと判った。

どうやら酔っているようだ。

車の速度を落とし、小山るうの前で停止する。

「小山さん。こんな所に座ってちゃ危ないですよ」

マイクロミニのスカートから突き出る二本の脚は細くてとても美しい。