小説の続きを読んでいたら2時間なんてあっという間だった。
浴室は真っ赤な血に染まっていた。
僕はこの光景が大好きだ。
女が僕の作品になる一歩。
地下室の一番奥にある作業室にマネキンの様な大橋美鈴を運び、部屋の中央に設置した手術台に載せる。
メスで横腹を10cm切る。
今回は心臓も取り出すことにした。
大橋美鈴の心臓は脳死が認められたドナーの物。
彼女の物ではない。
空っぽになった大橋美鈴はホルマリン液の入った水槽に沈む。
作業室から1つ手前の部屋。
僕だけの為にある展示室。
森岡静菜の隣に大橋美鈴の水槽を置く。
これで僕のコレクションは8人になった。
じっくりと部屋に並ぶ8人の水槽を眺める。
僕は展示室から出た。
空っぽになった硝子張りの部屋を横目に地下室を出る。
次のターゲットを考える。
わざわざ街で探すつもりは無い。
僕の勤務する病院には美しい者が沢山居る。
次のターゲットも病院内から…。



