今日も目に留まる美しい女は見かけられなかった。
あまりにも夢中になって探し歩き回ったので、いつもなら来ない所まで来てしまった。
おかげで往復2時間かかった。
昼食を食べたばかりなので夕食は食べない事にした。
その代わりシャンパンと華奢なグラスを手に、地下室へ下りる。
硝子の向こうに居る大橋美鈴を見る。
酷くうなされている。
一体どんな夢を見ているのだろう。
昨日運んだ食事には殆ど手を付けていないようだった。
本当に毒入りだと思っているのだろうか。
このまま食事をとらないつもりなら明日にでも僕の作品にしてしまわないと、痩せてしまう。
硝子張りの部屋を通り過ぎ、一つの扉を開ける。
薬品の臭いが微かに鼻の奥を刺激する。
部屋の明かりを点ける。
まず扉の所から部屋全体を眺める。
この部屋には僕のコレクションが僕だけの為に展示してある。
全部で7体のコレクション。
そのどれもが僕を見下ろす様に展示してある。
7体の女が此方を向いて眠っているのだ。



