栞との約束で今夜はイタリアンレストランでディナー。

「綺麗なお店だね」

栞は久々のディナーに少しはしゃいでいる。

「栞の為に頑張ったんだからね?」

含み笑いで言う。

はにかんだ栞は左手で髪を耳に掛ける。

今日はお洒落で胸元の大きくあいたワンピースが栞にとても似合っている。

店内は淡いオレンジ色の光に包まれている。

その所為か栞がとても美しく見える。

いや、栞は美しいのだ。

丁度、地下室は空いている。

でも栞を地下室に招待するのはまだ早い。

僕は栞を家まで送り、帰宅した。

空になった硝子張りの部屋を見て寂しいと思う。

なるべく早く新しい“動くコレクション”を置いておきたい。

次は誰にしようか?

僕の周りには沢山の美しい肉体を持つ芸術作品が居る。

人間の手では作ることの出来ない自然の美しさ。

遺伝子の絶妙な組み合わせでしか生まれない作品。

それが人間。

そして“美”を司る女性。

自然とは素晴らしい。