食事を終え、地下室に戻る。

扉を開け、部屋に入る。

「静菜さん?」

僕が呼んでも返事は無い。

「森岡静菜さん?」

もう一度声をかけるがピクリとも動かない。

森岡静菜の脈を測る。

・・・死んでいる。

死後硬直はまだのようだが、急いで一階の浴室に運ぶ。

体重が軽いお陰で運ぶのが楽だった。

森岡静菜が着ている衣服は全て剥ぎ取り、生まれたままの姿で浴室のタイルの床に寝かせた。

持って来たメスで左手首に慎重に小さな切込みを入れる。

今から血抜きを行う。

二時間後。

浴室に様子を見に行った。

白いタイルは真っ赤に、森岡静菜は真っ白になっていた。

この肌の色が血抜き終了の合図。

僕はシャワーで血液が付着した体を流し、丁寧にタオルで水を拭き取る。

死後硬直が始まってしまったので、マネキンのような森岡静菜を地下室の突き当たりにある部屋の手術台まで運ぶ。

なかなかの労働作業だ。