「茜は何もしなくていいよ。そのままでいて」

響があたしを抱き寄せようとしたけど、その伸ばされた手をはね避けて寝室に逃げ込んだ。



あたしも関係してるのに…

そんなに役に立たない?

泣きそうなのをぐっとこらえて


「茜はこのまま無理矢理別れさせられてもいいの?」

「嫌だけど…あたしにも」

「俺に任せてほしい」

ヤダ…あたしのわがままな心が暴走してる

「ヤダ!あたしにも」

「お前が動いたらややこしくなるからダメだ!じっとしとけ」

「響の馬鹿!!」

バックに服や下着を数着詰め込んだ。



「茜?」

「しばらく恵子の所にいるから!響なんてもう知らない!」

感情的になってどうするの!あたし

玄関を出てすぐに後悔した。

仕方がないから恵子にメールをして、泊めてくれるように頼んだ。

ちょっと大荷物だけど、会社の更衣室の自分のロッカーに詰め込んだ。





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