「古川先輩」

赤色のワンピースを着た平間さんが現れた。

「どうしてここがわかった?」

響も動揺している…

「響さんのことならなんでもわかります」

クスッと不敵に平間さんが笑った。


「古川先輩、あたし言いましたよね?響さんをとらないで下さいって」

言われてたけど…この気持ちを響に言わないのは無理…

「ごめん!でも響だけはあげれない。あなたが社長の娘だとしても」



「黙ってくれ!」


響があたしたち2人をどなった。

「響?」

「平間さん俺、社長とした勝負に勝ったんですよ。もう俺のことは忘れてください。」

「うそでしょ?あの条件に?」

あの条件?社長と何か勝負したの?

「茜、説明してあるから。平間さんは社長とよく話会ってください。」

「わかりました。お父様に聞いてまいります。」

そう言うとあたしを睨みつけ、悔しそうに帰って行った。




「俺、彼女の婿候補の一人に上がってたんだ。」

平間さんの婿候補!?

「そ、それで?」

「どうしても断りたかったから、俺茜のこと好きだし…だから社長と勝負した。負ければ平間さんと結婚。勝てば自由にしていいって。」

「勝負って何したの?」

「ある会社との契約をとること。その会社、結構前から言ってるんだけどいい返事もらえなくて。やっと契約したんだ。」

響ってすごいかも…

「2週間でそれをしろって言われて、必死だった。茜がどんな返事をしようとも、平間さんと結婚するのは無理だから。好きでもないのに結婚したら彼女を傷つけるだけだからさ。」

優しいな、響は…敵のこともきちんと考えてる

「なんて言ったらいいのかわかんないけど、ありがとう…頑張ったね」

「あぁ…」

その時響のケータイが鳴った。


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