素直になれなくて




「行ってきます」

「あ、お父さんと後で行くからね!頑張るのよ」

「はーい・・・」

運動が苦手な私にどう頑張れと・・・

「はぁー」


大きなため息が出てしまう。


小学校までは歩いて10分。
普段は学生の登下校以外は人通りが少ないが、今日は幅広い年齢層の人たちが歩いている。

小学校に近付くにつれて、運動会らしい音楽が聞こえてきた。



「・・・うわ・・・」


この音楽を聞くと、緊張してくる。



「あら・・・もしかして、夏美ちゃん?」

小学校の門をくぐろうとしたとき、懐かしい声で名前を呼ばれた。


「あ・・・」

後ろを振り返ると、そこにいたのは小学校のときの養護教諭。

「久しぶりね!元気だった?」

「はい。お久しぶりです」

会いたくなかったような、会いたかったような・・・


「高校はどう?楽しい?」

「はい。楽しいです」


「それは、良かったわ。今日は何か競技出るの?」

「そうなんですけど・・・何の競技出るのかまだ聞いてなくて」

「そうなんだ!とりあえず、頑張ってね。私は保健室にいるから時間あったら寄ってね」

「はい」

昔と変わらない先生。


なんだか、少し昔に戻った気持ちになる1日になりそう。