素直になれなくて








「はなして…」

髪を引っ張っている手を、振り払おうとした時だった。


「げほっ、げほっ」

「ちょ…何、この煙!?」

え…?

「…けほっ」


正面から、真っ白な煙がおそってくる。


この匂いー…



「あんたら、ジャマ」


タバコー…?



「ちょっと!何すんのよ!?」

「タバコ臭くなるじゃない!」

「うるせーな」


先輩たちとタバコを吸っていた誰かが、言い合いになっている様子。


言い合いに夢中になっているのか、髪を引っ張っていた手もいつの間にか離れていた。


一体、誰と言い合いになっているのだろうー…

恐る恐る、その様子をうかがってみた。

「!」


「知るかよ。俺のジャマしてる、あんたらが悪いんだろ?」

…え?


「てか、あんた制服着てんじゃん!よく、堂々と吸ってられるわね!?」


どうして?


「だから、うるせーって言ってんだよ。ブスども。イジメやってる、あんたらに言われたくねぇよ」


遼平くんがー…


「ー…!!もう、いいわ」

「あなたみたいな男と一緒にいて、通報でもされたら退学よ」

「行こ!」


夏美のことを忘れ、先輩たちは行ってしまった。