素直になれなくて




"ドクン"と、心臓が鼓動を打ったのがわかった。

え…どうしよう。
でも、逃げたら変に思われるよね?


近付いてくる遼平たちに、夏美はアタフタするだけで動けなかった。



「ねぇ、ちょっといい?」

「…え?」


後ろから肩を叩かれ振り返ると、そこにいたのは同じ学校の女子生徒3人。


「あんた、稀田くんと付き合ってるんだって?」

「毎朝、登校してるって噂じゃない?」

「しかもこの間、交際宣言までしたんだって?」


ものすごい迫力でジリジリと、追いつめられる。


同じ学年で見たことがないから多分、先輩だと思うけど…


愛里が"気をつけな"って言ってたのは、このことかー…


「いや…付き合ってないです」

「は!?嘘言ってんじゃねぇよ」

「付き合ってもないのに、交際宣言なんかするわけねぇだろ!?」

「あれは…」


"他校の女の子が…"

と、言おうとしたが口を閉じた。

「…っ」


その他校の子が、すぐそばにいる。

遼平くんもー…




「黙ってるってことは、やっぱり付き合ってんじゃねぇか!」

「先輩に嘘つくなんて、いい度胸じゃん!ちょっと、こっち来いよ」


「いった…」


髪を引っ張られ、どこかに連れて行かれる。



ど…どうしよう!?