素直になれなくて









「もし…」


「…」



「夏美ちゃんが悲しむことがあっても、俺がそれの倍ぐらい笑わせてあげる」




…遼平くん。




「だから、気にすんなよ!」








後ろ姿だとどんな表情をして、遼平くんが言っているのかはわからない。


けど…




耳が真っ赤になってる。









「…あり…」


"ありがとう"



「遼平くん!男前ね!」




今まで黙って見ていた保健の先生が、手を叩きながら笑顔で近付いてくる





「…いたの?」


「ずっといたわよ!さすがに、黙ってるのも何だと思ったんだけど、遼平くんがいてくれて良かったわ」



「…俺、教室戻る」



「あら…」


「!」



教室戻っちゃう…




お礼、言わなきゃー…



「りょ…」




「またね、夏美ちゃん」





いつものバイバイはなく、逃げるように保健室から出て行ってしまった。