素直になれなくて












「夏美ちゃん、見た?」



体育の授業が終わると同時に、遼平くんが保健室に入ってきた。




「あ…」




"見たよ"って伝えたいが、言葉が喉につまる。




「遼平ー!早く行くぞ」

「次の授業に遅れちまう」




廊下から、遼平くんを呼ぶ声が聞こえる。



「おー。じゃね、夏美ちゃん」






手を振りながら、慌てて保健室から出て行った。