素直になれなくて






「先生、いないの?」


「…」


顔を背けたまま、コクリと頷く。


「すぐ戻って来る?」


コクリ


「じゃあ、待ってよ」






…待ってよ?



最後の言葉に驚き、背けていた顔を男の子に向けた。







「俺、夏美ちゃんと同じクラスの遼平。3年のとき同じクラスだったの、覚えてる?」




いつの間にか置いてあるソファーに座り、くつろいでいる。





遼平ー…




「そこまで喋ったことなかったよね。だからさ、せっかく同じクラスになったんだから、これからはたくさん喋ろう」




たくさん…喋ろう?







遼平…くんの言ってる意味がわからなかった。






遼平くんのことは知ってたけど、喋ったことない。


それに、私は教室に行ってない。




喋るなんて…