素直になれなくて



「遼平くんのおかげで、私は前に進めた。遼平くんは何も思ってないだろうけど、私にとって遼平くんはとても大きな存在だった」


今でも覚えている。
差し伸べられた手の温かさ。


「本当に、本当に・・・ありがとう」


けど、今日で終わりにする。


また前に進まなきゃいけないから。





「・・・夏美ちゃん、そろそろ行こうか?」

ぽんっと稀田が夏美の頭に手をのせた。

それが合図かのように、空気が一変した。


「あ・・・うん」


稀田が保健室から出ていくのを後を追うように付いていく。


なんだか、さっきよりも足取りが軽いような気がする。


吹っ切れたのかなー・・・







「・・・夏美ちゃん!」