素直になれなくて





懐かしい匂いと、場所。

心が昔に戻っていくような気がする。


「・・・ここから、いつも体育の授業を見てたの 」

窓際に行き、運動場を眺めた。

「皆、楽しそうで・・・私も仲間に入りたいってずっと思ってた」



一人でいつもここで過ごしてた。

「けど、自分からなかなか戻ることができなくて・・・そんな時に、遼平くんが来てくれたの」

毎日のようにー・・・

「体育の授業の終わりとか、昼休み中とか・・・いつも楽しい話をしてくれて、一緒に笑って過ごした時間がすごく好きだった」

唯一、学校にくる楽しみだった。


「遼平くん・・・ありがとう」

小学生の私には言えなかった言葉。

今なら言えるのにな。



「って、言えたら良かっー・・・」
「だってさ。聞いてたんだろ?もう、出て来いよ」


・・・え?

稀田が、ベッドに向かって歩き出す。

え?何ー・・・




「盗み聞きはよくないよ」

シャッとベッドのカーテンを開けると、そこにいたのはー・・・