翌日、昼からの講義だった俺は、早めにきて時間まで屋上にいた。


手すりに捕まり、空を見上げていた。
すると、後ろから声がした。



「柚流くんには、その空はどんな風に映ってる?」



後ろを見ると、雅が立っていた。そして、雅は歩いてくると手すりを掴み目を閉じると空を見上げた。





「空ってさ、広いよね。空、見てるとさ自分だけの世界が見える気がするの」

雅は言った。



「自分だけの世界?」

俺は、雅の横顔に問いかけた。




雅の言ってる自分だけの世界。


自分が自分でいられる場所。