卒業式の日あたしは泣かなかった。 だって次の日の方が悲しいんだもん。 最後だと思って瑛太に告白することを決め、 勇気をふりしぼり声をかけた。 「一緒に帰ろ?」 ごめんね。瑛太。 好きな子に誤解されて。 最後だからね。 「お、おう!」 と瑛太は驚いて言う。 しばらくの沈黙。 重い足取り。 「あのね…」 「あのさ…」 声が重なる。 思わず2人とも笑った。