普通の人なら絶対に住まないであろうそこは、人通りが少ない、ただの道。 屋根もない、水道も電気もない。 あるのは、食料を保管しておくプラスチック製の箱、薄っぺらいシートに、かつてフサフサの毛布だった掛け布団ぐらいしかない。 そう…僕は世間から言う、ホームレスなんだ。 身よりもなく、住む場所がない僕はこうして外で暮らしている。 寂しさなんて感じない。 いや、むしろ慣れたんだ。 こんな長いこと独りでいれば、他人と関わることなんて面倒なだけだと思えてくる。