“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

だとしたらオレは―――


―――…征に…何と言えばいいのか。


ありがとう?
面倒かけて悪い?


いや、違う、な。


たぶん―――



「捨てろよ。
もう、いらねぇから」



遥とのことは、もう、終ったことだと。


その証拠に、オレは過去を“捨て去る”と。


そして、オレの未来にも、もう、遥は“いらない”と。



そう征に告げるつもりで、


「もう一度言う」


オレは口を開いた。


「捨てろよ。
もう、いらねぇから」



その瞬間、征の指を離れたネックレスと指輪はそのまま落下し、カシャン……小さな小さな音を…たてた。