夏休み。 『大事な用事。 だから来いよ』 征に呼び出された病室で。 「あ。 来た来た。 凌っ!!」 征はいつも通りの… “あんなこと”なんて何もなかったかのような、華やかな笑みを浮かべ、 「凌、コレ、いる?」 横たわったベッドの上で片手だけをオレに突き出し、指先でつまんだものをそっと揺らした。 言うまでもなく。 征が揺らす“ソレ”は、オレが遥にプレゼントした“あのネックレスと指輪”で。