「俺のこと、知りたいんだろ?」


「…痛っ」


あたしのことなんかおかまいなしに、長谷川くんはあたしの腕を力任せに引っ張り、


「だったら、手っ取り早く教えてやるよ」


その手をあたしの頭の後ろにまわす。


「…っ!!」


その結果、あたしはベッドに横たわる長谷川くんの顔の横に手をつく形になり、


「なんで…。
なんで、そんなしかめっ面すんだよ!」


もう後数センチで唇が合わさる距離で…


「俺、“彼氏”だろ?
だったら…。
彼氏がキスしようとしてんだから!
もっと嬉しそうな顔しろよ!!」


長谷川くんの傷ついた、野獣のような瞳に対面した。