「あのさ? 矢野さん。 北村くんと別れてくれない?」 放課後に、この前凌にキスしていた女の子=佐藤さんに呼び出されたわけ。 「担当直入に言う。 好きな男の将来を邪魔しないで」 ――佐藤さんは、凌の進路のこと…希望している進路のこと知ってたんだ。 ――あたしには話してくれなかった凌だけど、同じ理系の佐藤さんには相談してたんだ。 あたしが知らない凌のことを、佐藤さんが知っているのは、かなりのショックだった。 「矢野さんじゃ、北村くんと同じ将来を歩めないでしょ? 足を引っ張るだけでしょ?」