“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

…って!?


「…凌っ…」


なにしてるの?
返してほしいに決まってるじゃん。


もぉ!
高校生にもなって、そんな意地悪するなんて!
凌、子供みたいだよ?


ちょっと唇を尖らせながらも、“やれやれ。仕方ないなぁ”心の中で苦笑して、凌の左手に掴まれたシャツめがけて手を伸ばす。


そう――…


手を伸ばしたのだけど――…


「…っ。
あれ?」


あたしの手には何も掴めなかった。