「!!!!! 凌っ! 渡瀬くんはね?」 “暗くなった帰り道を心配して、あたしを送ってきてくれたんだよ” そんなあたしの言葉は、凌の耳に届くことはなかったと思う。 だって――… 「…っ!! …りょっ…」 合わされた凌の唇でさえぎられてしまったから。 しかも。 それは――… 「おまえさ。 いつまで見てんだよ。 とっとと消えろ」 渡瀬くんへの敵意を表したキス。 「それとも何か? おまえ、もっと見たいのか?」 そう言う凌の顔は、瞳は――… 完全に渡瀬くんを敵視していた。