黙々と歩く駅までの道。


駅前に着くまで一言も発しなかった凌が、電車待ちの列に並び、ようやく口を開いた。


「遥の夢って何?」


「…え?」


…夢?
夢って…?


いきなり、なに?


「教えて?」


…そ…そんなこと急に言われても…。


「ゆ…夢?」


そんなの、思いつかないよ!!


でも――…


「そう、遥の夢」


そう言う凌の瞳は真剣で、適当に、暇つぶしにした質問じゃないことは明白で。


あたしの心臓はバクバクと音をたてた。