「ね…凌?
お…姉ちゃん、なんだって?」


斜め前を歩く凌に、遠慮がちにそう切り出す。


だって――…


「ん?」


顔だけあたしに向けて、斜めに視線を落とす凌はお世辞にも機嫌がいいとは言えなくて。


「ご…ごめん…。
でも…気になって…」


あたしはあたふたと腕を振り回し、唇を噛んだ。


凌、さっきまでは機嫌がよかったのにな。


お姉ちゃんになんて言われたんだろう…。