遥を腕の中に抱き締めて眠る、この上もない幸せの中。 目覚まし代わりにタイマーをセットし、ナイトテーブルの上に置いていたケータイが、ブーブー…とうなりをあげた。 ん? 朝か? 眠たい目を左手でこすり、隣で眠る遥を起こさないように気をつけながら、抱き寄せるように遥の首の後ろにまわしていた右腕をそっと抜く。 そして、ケータイのボタンを押そうと、ケータイを掴んだ瞬間、目に飛び込んでくるのは、まぶしい光と知らない番号。 は? 電話? アラームじゃなくて? つーか、今何時?