ふわり…と。 ベッドの上、もぐりこんでいた布団がめくられる。 「…っ…」 ――凌の気配にドキドキする。 「…っ…」 ――凌の息遣いにドキドキする。 どうしよ…。 なんか緊張する…。 ドキドキする胸をぎゅっと押さえて、暗い部屋の中、うつ伏せに、まん丸になったまま、顔を斜め上にちょっとだけ上げると――… ――月明かりのほのかな明かりを背に受けて立つ凌が、ぼんやり見えた。