“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

「あたし…
もっと一緒にいたいよ…。
凌と離れたくないよ…」


遥がそう言って、オレにしがみついた時――


「…宏…」


征の家の門をくぐったところだったオレの目に、壁に寄りかかる宏の姿が映った。


「なんで…おまえがいるんだよ?」


首をかしげたオレに、


「征に頼まれて…さ」


宏は壁から身を起こし、


「凌が来なかったら、オレが止めに入るように言われてたんだ」


そう言いながらグーに握った手をオレにさしだした。