“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

そんなあたしの問いかけに、


「…ウゼ。
そんなこと、まだ覚えてたの?」


長谷川くんは面倒くさそうにそう言って、


「“予約”がたくさん入ってて、忙しいんだけど」


あたしを、チラっとでも見ることなく、


「でも、約束は約束だし。
仕方ない。
ついてこいよ」


足早に廊下を歩き出した。





あたし…嫌われちゃったのかなぁ…。


そう感じたこのときに、引き返せばよかったんだ。


――こんなことになるくらいなら…