ブ―…ブ―…ブ―… 机の上に置いてあるケータイが、ブルブルと振動した。 その音に、もたれていたベッドから身を起こし、スッと立ち上がった綾瀬涼が机に歩み寄り… 「凌、おまえのケータイ」 そう言ってベッドの上に、オレのシルバーのケータイを放り投げた。 は? こんな朝っぱらから誰だよ… そう思いながらケータイに手をのばし、液晶画面に浮かぶ“征”の文字に、ケータイを放り投げたい衝動をグッとこらえる。