いっそ、優しくなんてしてくれなくていい。


むしろ、めちゃめちゃに傷つけてくれた方がいい。


そんな考えが―――頭をもたげた。




長谷川くんが優しく接してくれればくれるほど、自分の黒い汚い部分を突きつけられるようで、


目をそらし続けたあたしの中の偽善を、ここまで長谷川くんを追い詰めたあたしの間違いを、長谷川くんが粉々に壊してくれればいいのにと思った。


ここまできても、なおも他人を頼ろうとする…。


そんなあたしはどこまでも卑怯なのかもしれないけど…。