“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

「こんなの!
誰も幸せになれないよっ!!」



宏の悲痛な叫びにも
一切反応することなく、
オレは遥に背を向け
ドアに向かって歩き出した。


そんなオレに



「ねぇっ!
凌も、征も、遥ちゃんも。
もっと、ちゃんと、話し合おうよ!」


宏が、ぐちゃぐちゃに歪めた顔で、とりすがる。



「ねぇ、凌。
征のケガのことだって、心配だし
ほら。
おれ達、征の事故の様子だって、全然知らないわけだし」



腕を振り払えば、シャツを。
シャツを引っ張れば、体全身で、オレにしがみつき。