わたしはそう答えていた。

「ですが持ち物の学生証や携帯の写真から見るには間違いなく娘さんですよね、自宅と書かれた携帯の番号からつながったのは確かにお宅ですし」

「違います、絵里奈は娘はこんな顔でも無いですし…きっと何かの間違いで」

 わたしは認めたくなかった。いま目の前で死んでいるのが娘だなんて、信じたくなかった。わかっていても否定したかった。

「まぁ、落ち着いたら連絡ください」

 そう言い刑事は出て行った。

 何度見ても横たわる遺体は娘の絵里奈だった。

 わたしは逃げ出すように部屋を出て行った。気がつけば自宅の玄関を開けていた。