案の定、旦那は平然としていた。しかもかすかにどころかスーツからは女モノの香水がしている。

 多少ならわたしも我慢して気づかないようにしていた。けれどこの日ばかりは我慢できなかった。

「娘が家出したのに、あなたは女のところですか?」

「何いってるんんだ、仕事だよ仕事」

「香水の匂い」

「え?ああ、帰りの電車でうつされたんだよ」

「もう少しマシなウソをつきなさいよ」

「…明日も忙しいんだ、今日は寝る」

 そう言い旦那は寝室へと向かっていく。

 どこからこんなに壊れてしまったんだろう…そんな事を思いながら、眠る事にした。