曇リ硝子ノ記憶






「なら、私が何で

 此処で泣いてたかわかる?」


わかるはずもない、

知ってる、

私にも

わからない―涙―

自分でも
わからない事を聞いた





すると男の人は

「お前の事、わからない

 だからわかるはずねーよ(笑)


 ただ、一つわかるのは

 面白い笑顔だな、」


ムカッときた(笑)

面白い笑顔。

でも私は無視できなかった



「ねぇ、後少しって言える?」

意味のわからない質問

わかるはずもない

「何が?」


男の人は無視しないで

聞いてくれた。


「莉子は言えない、

 もっともっとずっと

 そう言っちゃうんだ」


そう言って私はまた

笑った。