私は、ベンチに座る

周りを見渡す。



何故か私の頬には

温かい、何かが伝っていた


「涙…」

それを涙だと築くまでに

しばらく時間がかかった




笑いながら手を繋いで


[まま!!今日、お友達がくるよ!くるみちゃんとしょうくん]

[そう?美味しいおやつ作って待ってようね。]

[うん!!]



笑いながら答え合う

母親らしき人とその子供




ボール、転がってくる

ボールが私の足の下に

止まった。



私はその光景を見ていた




走ってくる元気

いっぱいの男の子

どこにでもいるような
お父さん

[お父さん!!ボール取ってくる!]



私は足下のそのボールに

触れなかった




[お姉ちゃーん、取ってー!!]

大きな声で私に言う

なのに私は答えれなかった