もう一度、呼んでみた。 返事はない。 ただぽくぽくという木魚の音がけたたましくそこに在るだけ。 もう一度、呼んでみた。 もう一度だけ。 そして、もう一度。 もう一度、もう一度…。 戻ってくるような気がして、希望が捨てきれなくて、私は名前を呼び続けた。 狂ったみたいに。