急に思い立って、そっと布団を抜け出した。 


麻紀を起こさないよう、静かにカーテンを開けると、夜空には無数の星が輝いていた。


うわぁ、すごーい!!綺麗……。


空気が澄んでいるからだろうか。


自宅の窓から見える景色とは異なり、麻紀のマンションから見た夏の夜空は、見事なほどに無数の星に包まれていた。 


この瀬戸内海を辿っていったら、裕司くんのいる場所に繋がっているのかな。


今夜、裕司くんはお兄さんのいる大阪に泊まると言っていた。


裕司くんも今頃、この綺麗な夜空を眺めているのかな……? 


それとも、もう寝ちゃったかな?――おやすみ、裕司くん。


ゆっくりとカーテンを引き直し、そっと布団に潜り込んだ。