気が付くと、通路側に座っていたあの女性がいない。 

いつのまに降りたんだろう……?


裕司くんとの会話に夢中で、彼女が席を立ったことさえも気が付かなかった。



いったい、どこで降りたんだろう……?



もしかしたら、私たち二人が盛り上がっていて、気を悪くして、席を移動したのだろうか……? 



そんなことが、頭を過った。


それだけ、私は彼との会話に夢中になっていたようだ。