気が付けば……


車窓は富士山に差し掛かろうとしていた。



さっきまで、あれだけ二人で話し込んでいたのに、急に黙りこくった彼。



そして、窓の外をずっと眺めている。   



どうしたんだろう……?



私、何か気に障るようなこと言っちゃったかな?



そんなことを思いながら、彼と同じように、小さな窓から見える外の景色を眺めた。