ここにも、一人、知らぬ間に傷つけてしまっている人がいた。



――裕司くんだ。 



裕司くんは、私に、再三に渡って、自分の気持ちをぶつけてきた。 



『もっと一緒にいたい』


『留学前に、会いたかった』


『めぐみさんの声が聞きたくなって電話した』



『帰国したら、一番にめぐみさんに会いたかった』



『留学前に、もう一度、会いたい』



  …………………………


冷静になってみれば、裕司くんの話している内容に、嘘がなかったことが伺える。 



その証拠に――